当記事はnikkei BPnetに連載していたものを再編集して掲載しました。初出は2015年6月18日です。記事の内容は執筆時点の情報に基づいています。

飛ぶ鳥を落とす勢いのTOKYO MXの名物プロデューサー

 マツコ?デラックス、ミッツ?マングローブ、堀江貴文、江原啓之、岩井志麻子……。

 「濃いなあ」とため息をつきたくなる面々が、平日夕方、口角泡をとばす、生放送の熱い情報番組「5時に夢中!」。

 カルーセル麻紀、板東英二、梅沢富美男、中島知子(オセロ)、苫米地英人……。

 「これも濃いなあ!」と思わずうなりたくなるメンバーが丁々発止で盛り上げる、平日夜9時から毎晩生放送しているオトナの夜のワイドショー「バラいろダンディ」。

 「原発」「米軍基地」「憲法改正」「メディア規制」?#21462;ⅴ伐轔ⅴ工圣譬`マを取り上げ、「報ステ発言」の古賀茂明など識者や政治家をゲスト?#24605;?#35542;を戦わす、ロンブー淳?上杉隆の生放送「淳と隆の週刊リテラシー」。

 これらに共通するキーワード?#24076;?と問えば、関東エリアの方は「TOKYO MX(東京メトロポリタンテレビジョン)」とお答えになるだろう。

 そして業界関係者なら、もう1つのキーワード「大川貴史(おおかわ?たかし)」の名前を挙げることだろう。大川氏はTOKYO MXの編成局制作第二部長を務める名物テレビプロデューサーだ。マツコ?デラックスは冒頭に紹介した「5時に夢中!」で2005年に起用されて以来、じわじわ噂が広まり、そしてブレーク! そんな大川プロデューサーとの出会いはもう何年も前のことだ。

「志がない」「希望がない」「やる気がない」…新入社員時代

 私が「シーゲル梶原」という名前で演歌を英語に訳して歌い、レコード大賞企画賞にノミネートされたLP「梶原しげるのイングリッシュ演歌」を、2007年にCD化して発売した。そのプロモーション活動を行っていたとき、声をかけてくれたのが大川プロデューサーだった。

 「テレビの生放送で、インチキ臭い歌をフルコーラス歌わせてくれた恩人」の「若き日の苦悩」を聞いたのは、つい先日のことだった。

 それは何とも意外だった。

 「志がない」「希望がない」「やる気がない」「知識がない」「モデルがいない」――。今や「成功者」の1人と言われる彼は会社員になって10数年は「ないない尽くし」の人生だったというのだ。

 TOKYO MXは2015年、開局20年を迎えた。大学を卒業した大川氏は開局前に「第1期生」として「東京メトロポリタンテレビ」に入社した。

 彼はテレビ業界に興味があったわけではない。まだ世間に知られていない会社なら入れるかもしれない、くらいの気持ちで受験したのだという。ほかにテレビ局を受験していない。他業種も受験しているが、採用通知をもらったのはここだけだった。